なおみちゃんはなぜ負けたか?-心は厄介なもの

2018/09/23
なおみ

 日中の期待を一身に背負った、大阪なおみ選手が、残念なことに決勝戦で敗れてしまったそうです。圧倒的勝利を期待していた多くのファンは、さぞやがっかりしたことでしょう。全米オープンでは、強い絶対女王セリーナを圧倒したほどの強さだったのに、どうして?と思った人がたくさんいると思います。

 今回は、試合途中でのコーチのアドバイスも、効果を発揮しなかったようです。本人は、疲れをその原因に挙げていました。本人やコーチは、もしかしたらわかっているのかかもしれませんが、私は、別のところに原因があると考えています。

 それは、とても厄介なココロに、その原因があると思います。その前兆は、たしかにありました。今回敗れた直接的な原因は、自分のミスであり、自滅でした。つまり、全米オープンの時のココロと、今回のココロとは、同じではなかった、全く違っていたということです。全米の時は、無心で、自分のテニスに集中していました。セリーナと審判のトラブルの時も、全然聞いていなかったそうです。

 ところが、今回はどうでしたでしょうか?日本中の期待を一身に集めて、これに応えて勝ちたい、全米王者として負けるわけにはいかない、と強く思っていたはずです。ですから、準決勝の時、異常に緊張した、と漏らしていました。これが前兆です。天真爛漫な、なおみちゃんらしく無いでしょ!これが敗因です。ですから、コーチの見当違いのアドバイスは、全く効果を発揮できなかったのです。

 開き直って、自分を取り戻させるアドバイスが必要だったのですが、その開き直らせるアドバイスがなかったからです。身体を叩いて身体感覚に集中させようとしましたが、ココロが身体のネットワークを乱していたのですから、効き目はなかったのです。

 これも良い経験となると思います。絶対女王になるための試練と捉えて、女王としてのメンタルを、しっかりと創っていって頂きたいものです。