指の枯れ木化と胃腸との関係(脾胃は手足を主るー漢方)

2018/08/28
枯れ木

 腰痛で来院された方を治療中、右手の人差し指に触れた時、その異様な感触に「なんじゃこれ!」と驚き声を発しました。まだそんな年でもないのに、ヘバーデン結節のように関節が異常に膨らんで、その間がスカスカで力が全くなかったからです。

 そのことを云うと、じつは1~2年前、身体がとても具合悪くて、胃腸が悪くて物が食べられず、、右手に力が全く入らずに良くものを落とし、ラーメンを食べるために橋を使うのにも、疲れてとても大変だったそうです。病院に行って、いろいろ調べてもらっても原因が分からず、指に力が入らないからということで、指にテーピングされたそうです。

 その時なんで天寿堂にこなかったのか?というと、気が進まなかったそうです。現在は、その当時から比べるとだいぶ良くなってはいるそうです。とはいっても、指がこんな状態では、全然回復したとは言えない状態です。

 その方と、ある会に同席したときに、一人だけ扇子でしきりに顔を仰いでおりましたので、顔が火照るのは、例の右手の気が枯れて巡らないために、気が上逆して顔が火照るのだろうと推測して、右手の合谷を治療すると、案の定、枯れた板のようになっておりましたので、それをほぐすと、しばらくは落ち着いたようです。

 腹診すると、胃点の奥の方に硬い塊ができていたので、それをほぐしました。漢方では、脾胃は手足を主るといわれておりますので、全くその通りだな!とあらためて痛感させられました。

 また、以前にヘバーデン結節の場合、背中の交感神経幹の周りが硬くなっていることが大本の原因であることを突き止めたことを、報告しておきましたが、この場合も、同様に交感神経幹の周りが硬くなって交感神経の働きが悪くなって、関節周りのスジの統括が悪くなり、筋肉周りのスジの状態が悪くなって、筋肉の代謝が疎外されてやせてしまったのだと考えられます。