AIも及ばぬ藤井聡太七段の凄み!これぞ人間性の証明!

2018/06/15
藤井

 大谷翔平選手といい、藤井聡太七段といい、本当にもの凄い若者が出てきたものですね!藤井聡太七段は、先日の将棋の対戦で、AIが悪手と断定した一手を打ちました。ところが、その後の展開は、AIも認めざるを得ない隙の無い展開で、見事に勝利しました。つまり、その勝利は、AIが悪手と断定した奇手があったればこその勝利だったのです。

 このところ人間がAIに負けたという話ばかり聞かされていましたが、本当は人間の方が優れているのだということを、藤井聡太七段が見事に証明してくれたおかげで、つかえていた溜飲がスッキリと下がりました。

 そもそもAIのビッグデーター解析というのは、事実の解析能力をいいます。じつは、人類が誕生した理由は、この事実の解析能力の限界を超えるためのものだったのですから、本来は人間がAIよりも優れているのが当たり前のはずなのです。

 この事実の解析能力のことを、ヘーゲル大先生は「即自的悟性」と呼びました。しかし、人間はそれだけでなく、その誕生に際して「即自的悟性」から離れて全体を俯瞰し、客観視する能力、つまり「対自的理性」を創り上げることのできる能力も新たに生まれ、その両者が統一されたものが、学問を創ることのできる人間の認識なのだと、ヘーゲル大先生はおっしゃっております。

 藤井聡太七段は、「価値観にとらわれないAIの打つ手から多くのことを学び反省することができました」と述べています。これこそが、己を客観視して反省して進化できる人間の、AIにない優れた点なのです。その点では、大谷翔平選手の自分を客観視するための目標実現シートの見事な実践と、同じものを感じます。

 その「即自的悟性」と「対自的理性」とが、絡み合い融合しあって化学反応を起こしたとき、AIも及ばないような斬新な閃きが生まれるのだと思います。