電車の中で意識を失って倒れた人その原因はストレスの凝り

2018/04/22
フー

 前の記事の異常な腹痛が、ストレス由来の粘着性を帯びたスジの凝りによって、もたらされたものであることを述べましたが、それと同じ構造をもつ、次の事例を紹介したいと思います。それは、天寿堂へ向かう電車の中で、突然気を失って大騒ぎになった、という方の話です。

 この方は、強烈なストレスによって、体中のスジのネットワークが固まってしまって、その痛みとシビレで夜も眠れない状態が八年間も続いていたところで、天寿堂での治療を開始して、約五年かかって何とか普通のスジの状態に戻すことができたところでした。

 ではなぜ、そんなに良くなっているのに、突然失神したのでしょうか?それは、腰から下の状態がとても良くなって、異常なシビレがとれたことによって、みぞおちあら首アタマの凝りが、逆に浮き出てきて、それが頚にある脳への血管の血行を阻害して、脳の虚血状態を引き起こすことになって失神したのだろう、と推測されます。

 実際、腹診するとみぞおちの圧痛があり、ストレスによるものと見られる左の首筋のスジが細く硬く突っ張っておりましたので、それが電車に揺られている中で徐々に血管を圧迫して血行を阻害したのだろうと思います。そして、実際、その凝りをほぐしてやると、みぞおちの異常な圧痛も消えました。

 これが、他の全身の凝りがみな取れて、最後に現れたところを見ますと、このケースは。ストレスによってまず脳から左のこの首筋の凝りが造られて、ここから全身に凝りが広がっていったものと思われます。つまり、よく云われるように、良くなっていく過程は、悪くなっていく過程を、逆にたどって良くなっていくものだからです。