交感神経が退化しやすい理由その3 中枢が骨に守られていない

2018/02/22
中枢

 人間にとってとても大事な中枢である脳や脊髄は、頑丈な骨によってしっかりと守られているのに、命を守るという大切な仕事をしている交感神経の中枢である交感神経幹は、どういうわけか骨に囲まれていません。せいぜいのところ背骨の脇で背骨に寄り添って、雨宿りをしているようなあんばいです。

 これは、交感神経系が、建物が一応完成した後で、のっぴきならない事情が生まれて、そのための司令本部を造る必要が生まれたのですが、が建物の中はそのためのスペースがなく、やむなく建物の外にテント張りの前線司令本部として増設された、ということなのです。そののっぴきならない事情というのが、哺乳類が成長していく過程での、地球の激しい天変地異でした。

 そのように交感神経の中枢はテント張りですから、風雨の影響をもろに受けやすいのです。ですから、背骨の交感神経幹の周りのスジが硬くなってしまうと、交感神経幹も窮屈になって働きにくくなって、いつも全力でないと普通の仕事ができなくなって、その証として手の平・足の裏に汗がにじんだ状態が常態化してしまうことになるのです。そんな時に、その交感神経幹の周りの硬いスジをほぐしてやると、汗は出なくなります。

 同じ理由から、何もしないのに肺の膜に穴が開いてしまう自然気胸も起きる場合があります。そんな時にも、同様に交感神経幹の周りの異常なスジをほぐしてやると起きなくなります。じつは、これが交感神経が退化しやすい理由の一つです。