広尾の整体:天珠医学が説く頑固な左胸の痛みが取れにくかった理由

2018/01/15
肺経

 左胸の上の方の痛みがずっと続いてとれないために、整体などで治療したが良くならなかったという方。私も痛む場所が肺経の雲門というツボのあたりでしたので、肺経をほぐしてやれば良くなるのではないかと思って治療を始めました。しかし、三回やっても良くなりませんでした。そこで、改めて良く全身を調べてみますと、左足の胃経にも異常がみられたので、これだ!と閃めきました。

 というのは、経絡の肺経と胃経は、ちょうど胸の上部で接近して隣り合ったところになりますので、経絡のスジのネットワークの性質上それらがつながって結合してしまう可能性が十分に考えられたからです。実際、その胃経の異常をしっかりと整えてやると、胸のつまりがほぐれていきました。そして、これまで治療してもすぐに戻ってしまっていたのが、今度ははっきりと効果が持続して、多少戻ったとしてもその痛み方などが明らかに軽快していました。

  本人に聞いてみますと、もともと胃はあまりよくなくて、食べるとすぐに詰まってしまうような感じがして食べられなくなる、ということで悩んでいたそうです。以上のことから、このケースは肺経のスジの異常と胃経のスジの異常との相互浸透的一体化によってもたらされたものであるということが言えそうです。

 この症例を正しく理解するためには、天珠医学独自のスジのネットワーク論が必須となると思います。なぜなら、これを普通の東洋医学の経絡論では説明できませんし、ましてや経絡を認めない西洋医学ではなおさらのこと不可能です。したがって、天珠医学の経絡論とスジのネットワーク論なしには、この現象を正しく説明できないということです。