漢方の肝臓の腹診点はなぜ遠く離れた左下腹部にあるのか?

2017/11/27
腹診

 私の師匠の吉田禎克先生は、健康腺療法の腹診を確立するために、漢方の古典である「難経」からその腹診点を学び実際に確かめながら確定しました。それがこの腹診図です。その腹診点はその臓器の存在する近くにあるものもありますが、下腹部にある肺・腎臓や肝臓はなぜそこなのか不思議な所にあります。とりわけ肝臓は反対側の対角・対極にあるので、どうしてここなのか見当もつきません。だから、多くの鍼の先生はこの腹診を採用していないようです。ところが、吉田先生は実際に確かめてみて確かに、ここで感情の異常を察知できると確信して、決めたそうです。

 実際、私がやってみても、ほとんど百発百中と言ってよいほどに、当たります。そして、右足の冠のツボで異常がたしかに消えるのです。本当に不思議です。また非常に重宝しています。自分の体験でも、大好物が拙不味く感じたときに、肝の腹診点を圧してみると圧痛がありましたので、肝臓の働きが悪くなっているなと思い、肝のツボである右足の親指をつまんだところ、非常に痛かったので、それが消えるまで圧し突けました。すると、肝の腹診点の圧痛が消え、味も元に戻りました。これは自分でできるので本当に重宝しました。

 問題は何故そんな不思議な位置にあるのか?ということですが・・・。残念ながらこれは今でも謎のままです。、