広尾の治未病整体、果敢にチャレンジも現実の難しさを痛感

2017/10/27
うーむ

 自己免疫疾患のSAPHO症候群の治療を通じて、自己免疫疾患の治未病的な治し方を開拓する、と勇ましく公言いたしましたが、一定の成果を挙げつつも、道半ばで無念の断念を余儀なくされました。

 以前にも舌癌がリンパ節転移した方に、胸腺ー<交感神経ー副腎系>への重点施術を試して、癌の治療法を開拓しようと思いましたが、その時は、一旦リンパ節の腫れがひどくなった後、腫れがきれいに引いてリンパ節の状態がとても良くなって、私自身も驚いたという成果を挙げたにもかかわらず、その試みの意義を理解して貰えずに、断念したことがありました。

 今回も、自己免疫疾患は、大本の<交感神経ー副腎系>と胸腺の異常を治すことが治未病の本道であるとして、その治療法の確立を目指して取り組んでいましたが、再び残念なことになってしまいました。

 その患者さん曰く、前の鍼は気持ちよかったのですが、今回の鍼は痛すぎてとても耐えられない、とのことでした。その痛すぎる鍼というのは、胸腺を治すために胸骨に置き鍼をしたのですが、丁度悪い症状が出ている時の鍼でしたので、鍼を抜いた後も痛みがの凝り、二日経っても取れず、とうとうロキソニンを飲んでしまったそとのことでした。しかし、その後に来院して診たた時には、胸骨の周りの異常な症状は取れていて、掌にできていた湿疹もなくなっていました。

 また、炎症を起こしている仙骨の鍼も、後で、カァーッと燃えるような熱さは走るなどいろいろな症状が出たそうです。しかし、こちらの方は、そう簡単に改善したという変化はありませんでした。

 また、ちょうどこれと並行して、病院の方でもSAPHO症候群にたいする本格的な治療が始まって、医者から「これは普通の整形外科的な治療では治りませんよ」と言われたそうですが、この発言は、多分にこちらの鍼治療を意識しての発言のようにも思われました。こちらも、普通の整形外科的な治療とは違って、自己免疫を根本から治すだとは説明してありますが、患者さんの心には病院の先生の話の方が大きく響いたようです。実際、胸腺の周りの胸骨の症状が良くなったのも、病院の免疫の薬のせいだと思い込んでいた節があります。

 以前の私であれば、即座にこれは鍼のせいで良くなったと説明していたのですが、鍼の痛さに耐えらなないと言われた後でしたので、弱気になっていたせいか、何も言いませんでした。しかし、本当は、それでも続ける必要性をコンコンと説いて、説得すべきだったと思います。患者さんの心はもう決まっていたようですから、それを覆すことは大変なことですが、それでもしっかりと、こちらの主張は説いておくべきだったと反省しきりです。

 自己免疫疾患の治療は、自分の免疫細胞が正常な自分の細胞を攻撃してしまうというような、神経の狂いを治すものですから、痛みが強いのは当然のことです。それを乗り越えなければ神経が正常に戻らないことを良く理解してもらって、覚悟を決めて一緒に頑張る、という絆を創り上げることが、非常に大切だということを痛感させられました。ただ問題は、これまでそういう症例を、自信・確信が持てるほど積み重ねていないので、理論的確信はあっても、現実の具体的な場面で、この治療によってどうなるかの確信が今一つ定まっていないので、もろもろの条件において、相手にそれを強いることの困難さも痛感させられました。これは、今後の切実な課題と言えます。