数年かけてのスジの大拐取最後に出てきたのはスジの元締め少陽胆経

2017/10/26
胆経

 

 

 

 

 強烈なストレスによって、防御的にスジの粘着性が増して体中のスジが神経にまで癒着して固まってしまったために、八年間もの長い間体中の痛みとシビレで夜も眠れない状態だったという方を、数年かけてスジの大改修を行って、ようやく大部分のスジが普通の状態に戻ってきて、いよいよ最終段階というところまでこぎつけました。

 そこで最後に現れてきたのが、足の少陽胆経と、手の少陽三焦経でした。これまでは、スジが色々な所でくっつき合って、純粋な経絡の流れとして出てくることはありませんでしたが、その癒着しあったスジが解きほぐれていった結果として、純粋な経絡のつながりが現れてきました。しかも、それがこの手足の少陽軽という経絡であるところに、単なる偶然とは言えない大きな意味があると思います。

 というのは、漢方では、少陽は表と裏の中間にあって(これを半表半裏と言います)両者をつなぐ「枢」だと言われ、その経絡の中に筋会穴というスジを主(つかさ)る陽陵泉というツボが存在するところの、スジの元締めとしての性質を持つ経絡だからです。これはどういうことかと言いますと、このスジの病ともいえるこの症状は、まずスジの元締めである少陽の経絡からその異常が広がっていったということを、表しているのではないかということです。。だから、他のところが良くなっていった最後に残った異常な経絡が、少陽軽だったということです。つまり、時系列にと反対の経路をたどって治っていくということです。これは、常識と言えるほどよく知られている現象なので、それが見られたということは、おそらくはそうだったと思います。