糖尿病の本質は<交感神経ー副腎系>の異常

2017/09/15
糖

 昨日、ドクターGの立ちくらみの説明に自律神経が全く出てこなかったことに疑問を投げかけましたが、その理由は、現代医学の、血圧の調整は交感神経と副交感神経の拮抗支配によって行われているという、自律神経論ではうまく説明ができなかったからだと思います。さて今日は、そのドクターGが、対象患者の糖尿病がIgG4というリンパ球由来の免疫細胞による自己免疫的炎症によって引き起こされたものであることを見事に突き止めたことに触発されて、糖尿病について若干の考察を試みたいと思います。

 そのテレビの中でも糖尿病についての説明がありましたが、現代医学の説明は、自己免疫によって膵臓が壊されてなるⅠ型糖尿病、生活習慣などの慢性的経緯をたどってなるⅡ型糖尿病、その他の原因(膵臓・肝臓・腎臓など)からなる糖尿病という具合に、事実の羅列ばかりで、バラバラでお互いの連関が分かりにくいので、ただ知識として覚えるほかありません。それは、現代医学が糖尿病の本質的な内的必然性を追究しようとしていないところに原因があります。その本質的な内的必然性から解く学問的な天珠医学では、それを見事に説くことができます。

 まず結論から述べますと、表題に書いた通り、糖尿病の本質は<交感神経ー副腎系>の異常です。<交感神経ー副腎系>は、命を守るシステムで、その二大支柱は防衛力と恒常性の維持です。もう少し具体的に言いますと、免疫系の統括と循環系の統括です。免疫系の統括については後で論じますので、まずは循環系の統括について説明しますと、運動時だけでなく消化吸収時においても、この系は血液の流れおよび血液の状態を整えるべく、膵臓・肝臓・腎臓・肺の活動をコントロールしているということです。ですから、膵臓の運動を統括しているのは<交感神経ー副腎系>なのです。

 以上の前提を踏まえて、具体的に糖尿病を見ていきますと、まずⅠ型の糖尿病の発生機序の多くを占める自己免疫というのは、免疫系を統括している<交感神経ー副腎系>の異常によるものだということを示しています。
 次に、Ⅱ型の場合は、形の上では食生活の乱れや運動不足がその原因としてあげられておりますが、その奥にひそむ内的必然性は<交感神経ー副腎系>の実力の低下による膵臓の機能の低下が挙げられます。糖尿病に多く見られる立ちくらみはまさに<交感神経ー副腎系>の実力の低下を物語るものです。


 最後のその他の糖尿病についても、たとえば、今回のドクターGの例のように、IgG4を異常に産生して、それが涙腺・唾液腺・膵臓などの組織に取り付いて炎症を起こしてその機能を阻害して糖尿病状態になるケースですが、これはⅠ型のように実体的・不可逆的に破壊するものではなく、機能的に糖尿を引き起こしたものでしたから、ステロイドホルモンでその炎症を抑えると、機能は無事回復できました。この場合のIgG4の異常な産生は、<交感神経ー副腎系>の統括下にある胸腺の異常によるものであり、その結果起きた膵臓の炎症を抑えたのは<交感神経ー副腎系>の分泌するものと同類のステロイドホルモンでした。つまり、この症例も二重の意味で<交感神経ー副腎系>の異常によるものだったわけです。

 したがって、糖尿病の治療はまずもって<交感神経ー副腎系>の異常を治すことを第一義的優先課題とすべきだということが言えると思います。

※<交感神経ー副腎系>は、命を守るシステムということについては詳しくは天寿堂整復院のHPにて販売している拙著「天珠医学が説く目から鱗の人間の身体の真実」をご参照ください。