何故立ちくらみの説明に<交感神経ー副腎系>がないのか??

2017/09/14
くらくら

 一つ前のブログで、私は「立ちくらみの原理」を説明しておきましたが、その夜偶然に、NHKの「ドクターG」で立ちくらみ(起立性低血圧)について、ドクターGと言われるほどの現代医学の達人が、ペットボトルを用いて説明しているのを見ました。ところが、驚くべきことに、その説明に交感神経が全く出てきませんでした。それどころか血圧調整に関しての現代医学の定説である自律神経(交感神経ー副交感神経)すらも、一言も触れられませんでした???

 では、どういう説明がなされたのかと言いますと、ペットボトルに色のついた水を入れて横に倒す〔寝た状態)と、頭の部分はその色のついた水で充たされますが、立てるとその水が下がって頭の部分が空になる、という説明をしていました。そしてさらにつけ加えて、汗を大量にかいて血液の量が減ると立ちくらみが起きやすくなる説明として、ペットボトルの色のついた水を飲んでその量を減らした上で、同じようにして横に倒した場合は頭の部分に水があるのに、立ててさらに下部を圧迫して水を上げてもその水は頭までは到達しない、というパフォーマンスをしていました。この説明は、他の出演者たちからは、とても分かりやすいと好評でした。

 しかし、ちょっと待ってほしい。人間の身体はペットボトルとは違って、神経によって全体が一体的に統括されている生命のある有機的統一体です。その肝心の神経の説明が全くないというのは、一体どういうことなのでしょうか?現代医学は、立ちくらみは起立性低血圧だと規定し、そこでもそのように説明しておきながら、もっと言えば、その血圧を上げるのは交感神経だということは現代医学でも常識であるのに、何故そういう説明をしないのか?不思議です。こういうケースがとても多いのです。

 あえて意地悪な見方をしますと、高血圧のように交感神経が行き過ぎた異常で身体に悪い影響を及ぼす場合には、積極的に交感神経の名前を出しますが、熱中症や今回の立ちくらみの場合のように、交感神経が行き届かなくて出てくる症状の場合には、交感神経の名前は出ることはなく無視されるようです。まるで、交感神経がとても役に立ち、重要な神経なのだと認識されるような説明は、意識的にしないようにしているようにも感じられます。

 百歩譲って、それは分かっているが時間の都合上とか、素人に分かりやすく説明するためにあえて面倒な神経の説明は意識的にカットした、という事情があったと考えられなくもありません。しかし、もし交感神経が、今回の主題であった糖尿病と深くかかわっていたとしたら、面倒などとはいておられないはずです。ところが、現代医学はここでも糖尿病と交感神経とのかかわりが分かっていないようです。全く表面的な現象論でお茶を濁すだけで満足しているようです。しかし、学問的な天珠医学はそうは見ません。<交感神経ー副腎系>とは本質的にとても深くかかわっています。その件については、次の記事で詳しく説明することにします。