ある顔面神経麻痺の原因を身体が教えてくれる

2017/08/21
舞

半年前に左の顔面神経麻痺にかかって病院でステロイドを投与され、鍼にも二か所通ったものの、完全には元に戻らず、額のしわも右だけ生じて左側はのぺらとしたままでした。いらしたときは、能面のような堅い症状でしたが、見た目は少しおかしい程度で、さほど目立ってはいませんでした。朝起きたとき、特に左の首が痛く寝違え状態なのだそうですが、動かしていると少し楽になるとのことでした。

 話を聞いていると、どうやらストレスが原因の様なので、ストレスの凝りがたまるところをチェックしてみると、凝りがなかったので意外に思いましたが、治療を続けているうちに次第にその正体を現してきて、最後にはどんどん痛みが増していくばかりでしたので、これは尋常ではないなと思い、触診で探ってみますと、ストレスの凝りが足首の内くるぶしの周りにまで広がって、その内くるぶしの後ろのあたりに大きなスジの塊ができていました。これはひどい!こんなひどいストレスの凝りは初めて見た、と思いました。

 そして、これが顔面神経麻痺の原因であり、現在も続く指の寝違え状態の原因だと確信しました。何故なら、この足のストレスの凝りは、ネットワークを通じて左首のストレスの凝りとつながっており、足の方がこれだけ実して固まってしまうと、当然それてつながっている左の首筋のストレスの凝りの方も固まって神経を圧迫するようになり顔面神経麻痺を起こしてしまったと考えられます。

 問題は、その治療が、そういう顔面神経麻痺を起こした身体の方の治療をしないで、結果として表れている顔面神経の治療ばかりしていたために、その顔面神経も治りきらず、寝違えも残ったままとなってしまったと考えられます。

 また、病院では当初ステロイドの投与が行われたようですが、ということはウィルスによる神経炎のような症状があったと考えられますが、それを示すものが体に残っておりました。背中の背骨の左側の交感神経の中枢である交感神経幹のあたりが虚して、細い硬い異常なスジができておりましたが、それをたどって下の方を探って行ってその根元と考えられる部分に鍼をすると、ピリッという強い反応が起きて、そのスジの異常が消えて、虚していた交感神経幹のまわりが良い状態に戻りました。その反応があった点は、じつは副腎のあるあたりでした。つまり、ステロイドを出す器官に異常が見られたということです。さらに言えば、ストレスにより<交感神経ー副腎系>が弱って顔面神経麻痺を招来したと考えられます。

 治療後その方の表情は、別人のように柔らかくなっていました。