今前文の憲法論議を国民の間で尽くして和を以て貴しとなせ!

2022/01/08

 日本は、このままいったら確実に中国の属国となることは必至だとの危機感が、心ある人々の間に共通認識として広がってきています。

 その共通認識から、ではどうしたら良いかとの議論をすると、自分の国を自分で守ることを禁ずる属国憲法を自主憲法に変えることが、まず前提条件として必須であることは誰もが認めるところです。

 しかしながら、事は急を要していて、現実問題としてそんな時間はない!あるいは、現在の状況ではそれが否決される可能性があり、そうなると最早憲法改正など永遠に不可能となるので、むしろ触らないで現状のままできる手段を模索した方が良い、という意見もあります。

 しかし、この意見はテクニカルに走ったもので、日本的な対処法ではないと思います。つまり、これでは日本の未来が切り拓かれないということです。

 では日本的な解決法とはどういう解決法なのかと云いますと、17条憲法の精神に戻るということです。憲法論議とりわけ前文についての憲法論議を国民の間で巻き起こすことによって、国民の共通認識を醸成し、和を以て貴しとなすことを実現することです。

 こういうと、議論は憲法審査会の中で一条一条丹念に充分すぎるほど尽くしてある、これ以上議論しても意味ない時間の浪費だとの意見もあるようですが、問題は議員の中ではなく、国民の意識の方だと思います。最終的に決めるのは国民であるし、国民一丸とならなければ、この危機は突破できないからです。そういう力を結集できれば、日本の植民地・属国化を阻止できるからです。

 今の憲法を良いものだとして改憲に反対する人たちの多くは、日本はアジアにひどいことをした悪い国だから、軍隊を持って悪いことをしないように憲法で縛ることが正しい、という思い込みが感情にまでなってしまっているので、都合の悪い事実が見えなくなってしまっています;

 だから、この憲法論議は、否応なしに日本を取り巻く危機の実態に目を向けるようにし、あわせて日本という国がどういう歩みをしてきたか?日本という国がどういう国だったのかについての、事実に目を見開いてもらう絶好の機会になると思います。そしてそれを通して、真の国民的合意を形成することができれば日本は救われます。まさにピンチはチャンスです。

 また、そればかりでなく、前文は国家の基本的理念の問題ですから、それについて議論をすることは、国家の理念について共通の理念・精神を醸成することになると思いますので、それが国民一丸となることに大いに寄与すると思います。

 もちろん、その間にも、日本を守るために必要な処置をとりながら、この憲法論議を進めていく必要があることは言うまでもないことです。

 また、この憲法論議を進めていく過程において、起きてくるいろいろな事態そのものが、否応なく現実の日本について目を開くきっかけにもなっていくと思いますので、それが国民的合意の形成に一役買うことは言うまでもないことだと思います。

 これが、時間がないから、そんな憲法論議は無駄だ、という意見に対して、いやそうじゃないんだとする論拠です。