天珠医学よりご忠告:世にいう腸活には肝心な点が抜けている!

2019/05/20
交感神経

 最近、世に腸活という言葉が、ずいぶんもてはやされているようです。たしかに、腸を良い状態に整えると、意欲がわいてきて、元気になり、お肌もきれいになるので、とても大切なことです。

 腸活でよく云われるのは、腸は、いわゆる「幸福ホルモン」と云われるセロトニンなどが、全体の80%も生産していて、「第二の脳」とも呼ばれていることです。また、免疫細胞も全体の60%も腸に存在するなど、人「人体最大の免疫器官」とも呼ばれているそうです。

 しかし、この説には少々問題があります。腸で生産されるセロトニンを「幸福ホルモン」と呼んで、あたかもそれが、脳に直接働きかけて元気にするかのような印象を与える文章がとても多いのですが、これは誤りです。腸で生産されたセロトニンは、脳に行く関所を通ることができないので、脳には影響しないのです。本当に「幸福ホルモン」と呼べるのは、脳で直接生産されるセロトニンやドーパミンなのです。

 では、腸で生産されるセロトニンは、一体何に使われるのでしょうか?天珠医学ならば、その問いに正しく答えられます。それは、腸で造られたものは腸で使われるのです。そして、それがどう使われるかと云いますと、腸の平滑筋が元気に働くように使われるのです。ちょうど骨格筋の横紋筋がアドレナリンで元氣に働けるようになるようにです。じつは、このセロトニンもアドレナリンも、同じ交感神経系のクロム親和細胞が造っているのです。

 腸管の平滑筋を働かせているのは、副交感神経ですが、それをより元気にしているのは交感神経だということです。つまり、ここでは、交感神経と副交感神経は、協調し合って働いているということです。ところが、そういう説明をしているところは恐らくないでしょう。なぜなら、現代医学は、交感神経と副交感神経とは拮抗的に働くという、間違ったドグマに支配されているからです。

 次に、「腸は靭帯最大の免疫器官」という説明についてですが、腸は、肺と同じく、その体内に体外を持つ特殊な器官で、粘膜を通じて体外と物質のやり取りをするので、有害な物質が入ってこないように、免疫細胞がたくさんいるのは当たり前のことです。しかし、腸はあくまでも消化器官であって免疫器官ではありません。

 腸の中の免疫の中心となるのが、回腸に多く分布するパウエル板ですが、じつはこれを統括しているのは、交感神経なのです。もう一つ、体外を持っている器官である肺の免疫は、胸腺が中心です。じつは、これも、交感神経が統括しているのです。

 腸活で腸の中の対外環境が良くなると、どうして脳が元気になるのか?の説明には、決して欠かすことのできない大事なものがあるのですが、それについて触れた説明にお目にかかったことはありません。その大事な存在とは何かと云いますと、それは言うまでもなく交感神経です。

 腸の中の粘膜を守っているのは、交感神経です。この粘膜と接している腸の中の体外環境が悪玉菌であふれていたら、交感神経は、粘膜を守るために奮闘して疲れて弱ってきます。この交感神経は文字通り感情と一体ですから、元気がなくなっていきます。反対に、体外環境が善玉菌で満たされていると、交感神経も余裕ができてくるので、心の方もウキウキ元気になります。

 また、その交感神経は皮膚も統括していますので、当然肌も若返って艶々してkます。このように、交感神経なしには、この現象は説明できないのですが、どういうわけか、そういう説明をしているところは、残念ながら無いようです。