動脈乖離や眼瞼下垂・迷走神経の不調(お腹の違和感)の原因は一つ

2018/10/14
眼瞼下垂

 頭部の左側部分に動脈乖離を患ったという方、そのスジの異常な硬さにビックリして、一生懸命それをほぐそうとした私の治療が、心に響いたようで、治療が終わった時に、じつは動脈乖離を起こしたことがあるという事実を打ち明けてくれました。その時の、何とかしましょうという私の言葉と、体験した私の治療を信じて、以来熱心に通ってきてくださっています。

 治療を続けて、徐々にスジのネットワークの状態が改善してきてい入るのですが、瞼が重くなるのと、お腹の状態が良くないのがなかなか取れませんでした。そんなある時、ついにその原因を突き止めました。

 それは、眼瞼下垂を引き起こす顔面神経と、内臓の不調を起こす迷走神経が、互いに近くを通りあっている部分に大きな筋の塊ができていました。初めは細い鍼を刺してしばらく置いていたのですが、取れなかったので、やむを得ず太い鍼を使って、その大きなスジの塊を突き崩して、ようやくほぐすことができました。

 問題は、なぜそういう状態になってしまったかです。原因はストレスでした。強烈なストレスで、スジの粘着性が強くなり、互にくっつき合って固まり、どんどん取れなくなっていってしまったのです。

 そこに、大きなスジの塊ができてしまうと、アタマの左半分のスジのネットワークの遊びがなくなって、ピーンと突っ張んてしまって、神経を圧迫し、血管も圧迫して、神経の働きが悪くなったり、血管の膜の状態が悪くなって、動脈乖離を引き起こすに至ってしまった、と考えられます。

 このような症例は初めてでしたので、スジのネットワークが悪くなると、ここまで悪くなってしまうのだということを、まざまざと勉強させられた症例でした。