熱帯夜に足が火照って眠れないは、胃経の虚による真寒仮熱!

2018/08/06
ほてり

 夜、寝床で足が冷えても眠れませんが、火照ってもまた眠りにくいものです。その足が火照るという方の、原因を探っている時に、見つけたのは、左足の第二指の、経絡で云うと陽明胃経のスジのネットワークの極端な虚でした。そのスジは、奥の方に引っ込んでいて細く硬くなっていて、なかなかにほぐれてくれませんでした。相当に痛かったようです。

 これが、どうして火照りの原因と判断したのかと云いますと、漢方では、経験的に経絡も含めて脾胃は手足を主るとみています。ですからその胃経が虚してしまったら、足の方は当然冷えてきます。また、反対に手足を冷やすと胃の調子が悪くなるのは、このためです。

 その胃経の虚が進行して、奥の方に沈潜して隠れてしまったらどうなるか、奥の方が冷えて表面が火照るという逆転現象がおきることになります。これが今回のケースなのですが、これは、足の冷えの一つのあり方です。だからこのことを漢方用語で、<真寒仮熱>といいます。熱くても本当は冷えているのだよ!ということです。

 治療としては、胃経の深い虚を取り除か寐ければなりませんので、元氣療法では、まず<土台の歪み一切奇妙>を施して足全体の神経に活を入れ、つづいて肝心の胃経の虚を取り除く施術を行います。しかし、それと同時にスジのネットワーク全体を統括する交感神経幹の周りの状態を整えることを忘れてはいけません。

 自分でできることは、暑いからといって冷たいものを飲み過ぎてお腹を冷やすと、胃経の虚を招くことになりますので、注意が必要です。また、早め早めに疲れを取って虚が奥に沈まないようにすることも必要です。具体的に歯、胃経のスジのネットワークの神経の働きを良くしておくための、足の三里の灸をお勧めします。