スジの元締め・半表半裏の胆経って本当に大事だって話

2018/07/11
胆経

 右の腎臓と膀胱をつなぐ尿管に腫瘤ができているという方。そのせいか寝ている時も、お腹の具合が悪くて目が覚めることがあるようです。ご本人は、自立神経の乱れだと思っているようです。治療している途中で、右側の骨盤の側面にある腸骨の上端が、異常に詰まってしまっていることに気がつきました。

 そこは胆経なので、右足の薬指を入念に調べてみますと、奥の方に、異常に枯れたスジが隠れていることが分かりました。これだなと思って、枯れ木に花を咲かせるように、丹念にほぐしていきました。これは相当痛かったようです。これによって骨盤の異常なつまりも取れていきました。

 おそらく、これが尿管の腫瘤に肝経していると思います。ご本人も、治療の最後には、右半身が流れている感じがする、と言っておりました。

 じつは、全く違う例ですが、同根だと気づいたものがあります。それは、ここでも脱腸の事例として紹介したことのある、小さなかわいい女の子のケースです。脱腸の方は良くなっているようなのですが、良い方の右側と比べると、左側のふくらみがなかなか取れないのです。その場所は恥骨の周辺になっているので、脱腸ではなさそうなのです。

 お母さんは、女の子なので、赤ちゃんができなくなったらどうしようとか、いろいろ悪いケースを考えて不安になっているようです。前の例を経験した後だったものですから、私は、もしかしたらこの子もそうではないか、と閃いて、骨盤と胆経を注意深く調べてみますと、確かにありました。足の薬指を、小さい子なので少しづつ注意深くとっていくと、痛がって外そうとしますが、離さずにだましだましやっているうちに、その子はこてっと寝てしまいました。おかげでやりやすくなりましたが、恥骨の周りもスッキリしました。

 この子は、皮膚にも湿疹が出てきますので、スジのネットワークが悪かったために、皮膚のトラブルが出てきていたのだと思います。恥骨の周りの腫れも、脱腸ではなく、スジのネットワークが悪いための、腫瘤だと思われます。これまでは、スジの元締めの胆経の末端の薬指の異常があったために、なかなか良くなっていけなかったのだと思います。これですべて良くなっていけると思います。