BBCの酷評を吹き飛ばしてサムライ魂を証明したベルギー戦

2018/07/03
ベルギー戦

 私は、ポーランド戦の終盤のボール回しについて、あれこそサムライ魂の発露だ!と、その理由も含めて解説しておきましたが、一般には、観客はつまらなかったろう、とかいろいろ批判的なことが云われていました。そもそもワールドカップは、観客を喜ばせるためのプロレスではなく、真剣勝負の場であって、その真剣勝負の妙を、観客の側が、心して堪能すべきものです。

 ですから、自分の感情がつまらないから、と自分を基準にして考えるのではなく、真剣勝負なのに、何故負けているのにあえてボール回しをするのか?と、観客の側が、そういう戦術を取る監督・選手のココロを、真剣に忖度して真剣勝負の妙を味わわんとするのが、観客の務めであるはずです。そうすれば、深い日本のサムライ魂が、よく分かって感動するはずです。

 ところが、サッカーの発祥の地の天下のBBCが、そういう日本を酷評して「ベルギー戦はボロ負けするだろう」断じていたそうです。ところが、フタを開けてみると、〝赤い悪魔”との異名を持つ大会屈指の攻撃力を、献身的且つ有機的な日本の組織力が、それを見事に封じ込めて、前半を0-0で折り返しました。

 そして、後半開始早々、原口元気の技ありのシュートと、乾の世界の度肝を奪うお見事一本!の無回転弾が、キーパーの防御手をあざ笑うかのように、遠くへ・と奥へとそれていって、ついにネットに突き刺さりました。これを見たBBCは真っ蒼になったようです。

 2点をリードしても、日本はポーランド戦のように守ろうとせず、ベルギーの前がかりに攻める強力な圧力に必死に耐えながら、隙あらば攻めようとする姿勢は変えませんでした。結果として、最後の最後に劇的に逆転されてしまいましたが、最後の最後まで、勇猛果敢に攻める姿勢は崩しませんでした。強大な敵にも、ひるまず正々堂々と渡り合うその姿は、まさにサムライそのものでした。

 ポーランド戦の戦いも、このベルギー戦の戦いも、同じサムライ魂の発露であることを、このベルギー戦は見事に証明して見せました。さすがのBBCも、今大会のベストゲームだということを認めざるを得なかったようです。喝采