梅雨の湿邪でだるさ・動悸は副交感神経が優位になるため???!

2018/06/23
湿邪

 先週の三宅裕司の「健康カプセル元氣の時間」で、梅雨時に合わせて湿邪の特集をやっていました。そこで、東洋医学が専門の西洋医学の先生が、現在の西洋医学の「交感神経ー副交感神経拮抗支配説」という間違ったドグマで、強引に解釈するおかしな説明をしていました。

 もう本当にやめてほしいと思います。この説明からは、正しい対処の仕方が導き出せないからです。しかし実際の対処の仕方は、それなりの効果が実証されなければ淘汰されますので、それなりに理にかなったものになっているようです。しかし、それはその解釈とは矛盾するものですが、あまり気にしていないようです。

 番組では例によって、ゲンキチャレンジャーによる湿邪の実験が行われました。これはなかなか良かったと思います。これは、湿気の多い処と少ない処とで、歩行器で一時間歩き続けて比較するというもので、結果は歴然でした。すなわち、湿気の少ない方は、見た目は汗もかかず(じつはこちらの方が多量の汗が蒸散して熱を下げていたのです)さわやかな運動となりましたが、湿気の多い方は、直ぐに汗がダラダラとなるのに、熱が下がらずにコモってしまって、疲労感がひどいという結果でした。

 つまり、湿邪とは湿気の多い環境下では、交感神経の体内恒常性の維持機能に負担がかかって、交感神経を弱らせてしまうということなのです。すると、これを現代医学では、交感神経が弱るということは、それと拮抗関係にある副交感神経が優位になることだ、と解釈してしまうことになります。実際、番組ではそのように説明していました。唐突に副交感神経が出てきてとても違和感がありましたが、どうしてそうなのかの説明は全くありませんでした。

 そもそも副交感神経は、胃腸の運動を活発にする神経ですから、副交感神経が優位になるということは、食欲も上がるはずです。ところが、実際は、ダルクて熱がこもっているようなときは、食欲も低下している場合が多いはずです。これでどうして副交感神経優位と云えるのか?不思議です。

 単純に交感神経が弱っているだけなので、交感神経を元気にすることが適切な治療と言えます。番組でやっていた、だるさを取るツボは、まさに交感神経を元気にするものに他なりません。

 私は、湿邪によって、心臓を統括する交感神経が弱って動悸がするようになった方を、治療したことがあります。その方は、左手の中指の心包経に異常な凝りがありましたので、それを徹底的にほぐしました。しかし、小指の心経の方はさほどでもありませんでしたから、これは、心臓の本体の問題ではなく、その働きが疲れて出てきたものです、と説明しておきました。その方から、次のようなメールが届きました。

「今日はありがとうございました。動悸とお伝えしたのに、私が気になってる場所を集中施術だったのでびっくりしました。左手の中指が関係していたのですね。」

 この施術の後、しばらく動悸が出てきました。これは、弱った交感神経と心臓の機能が元に戻るためのものだと、思います。