痩せて足がむくんでダルく腹部が虚して正中線に動悸ありー脾胃の虚か?

2018/05/30
脾胃

 とても素敵なご婦人が、急にお痩せになって、もうだいぶたちますが、心配しながらもなかなか治療する機会に恵まれませんでした。やっとお出でになれるとのことで、久しぶりに治療することができました。聞くと、足が浮腫んでダルイとのことでした。早速、腹診すると、腹診点の異常はなかったものの、中央部が縦に盛り上がって腹部大動脈の脈動が強く感じられ、その両側は虚して凹んでいました。

 そんなに大きな動脈が脈打つほど活発に循環させているのに、どうして足が浮腫んでダルイのか、不思議に思われるかもしれませんが、これは、実は、そうではないのです。普段は怠けて血管の周りも硬くなってしまっていて、足に血を送っていないのが、腹診で、その硬くなってしまった部分が圧されて刺激された時だけ、ハッと目覚めて、やってますよと働いているふりをしているだけなのです。だから、逆に、足の方に血が流れだすと、その動機は穏やかになります。

 これを脾胃の虚と云います。その虚がまだ浅く、働きだけが落ちているレベルのものは、胃経のツボで治りますが、もっと虚が深くなて、実体の虚を治さないと治らないレベルになった場合は、脾経のツボでないと取れません。

 ですから、この方の場合は、その両方の脾胃のツボに置き鍼をして補いながら、治療しました。その置き鍼を抜いて腹診しますと、その動機は消えていました。しかし、足先への血のめぐりの方は、すぐにはよくならず、左右の指が何か所か攣ってきて、それに対応しながらの治療になりました。

 終わったあと、ずいぶんと足が楽になったようで、これは何としても時間を作って通うわね、と約束してくださいました!