なぜ腹痛がとれないのか?迷走の末やっと手がかりが・・・

2018/05/26
複合

 ストレスが元で始まった腹痛は、前に経験があって、その時は一階で取れたので、同じストレスから腹痛の患者さんを前にして、すぐに取ることができるだろうと高を括っておりました。ところが、案に相違して、この方の場合、なかなか痛みが引いてくれませんでした。

 一回で取ることはできませんでしたが、初めのうちは、治療することでスジの状態が良くなって、痛みの具合なども良くなっていきそうな感じがして、このまま一生治らないのではないかと不安を抱えていた重い気持ちが、気持ちが軽くなり、前向きに考えられるようになっていたのですが、お腹から左足の太ももにかけてピリピリ感や鈍痛がどうしても取れませんでした。

 左足の太もものピリピリ感は、ストレスによって胃をやられその栄養で胃経の筋肉が硬いスジに覆われていましたので、これを置き鍼でほぐしてやれば、腹痛の方も取れるだろうと試してみましたが、筋肉の方は緩んでも、腹痛の方は消えませんでした。

 そこで、痛みの元が消えても痛みが残る慢性痛の可能性も考慮して、認知行動療法的な取り組みをしてもらいましたが、あまり効果はありませんでした。治療をしても、最後に嫌な腹痛が残ってしまうのでは、治療する気がうせてしまうのではないか、これは何とか腹痛を和らげるようにしなければならない、と必死に考えました。そこで、先ず大本の交感神経幹から整える、というこれまでのやり方を覆すやり方に書けることにしました。

 まず、入念にチェックしてから、うつ伏せになってもらい背骨にそって診ていきました。すると、肩甲骨のあいだの背骨の右側のある一点が明らかにへこんでいるところが目につきました。これを見て私は、ピ~ンときました。じつは、この方は、子宮内膜症を患ったことがあり、私の治療によって良く出血するといっていましたので、その治療も意識して心がけるようにはしていましたが、これまで、背骨の右側のスジの異常には気づいておりませんでした。その影響で腰椎の右側の筋も骨にへばりついて硬くなっていました。これが、治療しても残る腹痛の下かもしれない、と思いました。

 そこで背骨の右側を重点に置き鍼をしたところ、全体がとてもすんなりと解れていきました。最後にお腹をチェックした時、いつもはお腹の痛みが残っているのに、今回はなかったようです。そこに私がお腹を圧したので、それにしげkされて少しおかしくなりかかったようですが、事なきを得たようです。

 この方の治療をはじめて、初めてとても良い形で治療を終えることができました。そして、最後に次の一言「這ってでも来て本当に良かった!」と、うれしそうに笑顔でおっしゃて、帰っていただくことができました。ホッ!