枯れ枝化した両足の小指と腰痛との関係

2018/03/07
膀胱経

  ジムなどでランニングやマシントレーニングをしているという方が、腰痛で来院しました。お辞儀の姿勢になると、お尻のセンター部分が固まって痛むのだそうです。ざっと診て、まず目についたのが、両足の小指がいやにカサカサして乾燥しているのが目立っていたことです。そこの部分だけが、特に、まるで乾燥して枯れ枝のようになっている状態でした。

 これを見てすぐに、これが腰痛のもとだな、とピ~ンときました。というのは、足の小指は経絡で云うと太陽膀胱経といって、小指からいったんお尻のセンター部分に集まって、そこから背骨の脇を上に昇って行って、頭の頂を超えて目の脇にまで行っているからです。つまり、小指がこのように枯れて乾燥しているということは、膀胱軽のスジのネットワークが、正常に機能できていないことを意味するからです。

 もっと具体的に云いますと、このように小指のような末端が枯れているということは、途中で折り返し運転になっているということですから、当然窮屈を強いられることになります。おまけに、この方は、そんな状態であるにもかかわらず(おそらく気づいていなかった)、積極的に運動しているわけですから、部分的な循環が活発になるので、ますますその窮屈さがひどくなることになります。

 それが運動しているにもかかわらず、腰痛を発症する理由です。治療は、当然その枯れた部分の交感神経とスジに活を入れて、循環を復活させることですが、枯れてマヒしたようになっているところが目覚めるととても痛いのですが、その分すぐに潤いが戻ってきます。まず最初にそれをやっておけば、腰痛の解消は簡単ですが、それに気づかずに他のところをいくらやっても、そこの動きが戻っていなければ、すぐにまた戻ってしまうので、注意が必要です。