前の副交感神経の異常には交感神経の異常がかかわっている

2018/02/26
関係

 前の記事で取り上げた、副交感神経の異常によって、十二指腸からのたんぱく質消化酵素の分泌の減少によるたんぱく質不足で痩せていくという現象には、交感神経の異常が深くかかわっていると思われます。

 というのは、この方は、もともと交感神経幹の周りの背筋のスジのネットワークが非常に硬く、そのためにいつも手足の平に汗をかいている状態でした。それ自体は背筋をほぐすことによって汗は出なくなりましたが、そういう傾向にあることは確かでした。そこに仕事上での強烈なストレスが加わって、交感神経の異常によるスジの状態の悪化がありました。

 このストレスの凝りは、左の首筋にできますので、そこはちょうど副交感神経を多く含んだ迷走神経の通り道でもあります。そして、今回、その迷走腎経にはっきりしたスジの異常と、異常な圧痛とが認められました。そしてそれと関連して、左腕の肘の内側の小腸経の経絡のツボにもスジの異常と、異常な圧痛が認められました。経験上、ここにこのような異常があると、必ず、みぞおちにも異常ができていることが多く、今回もそれが認められました。

 このみぞおちは、まさに十二指腸の存在するエリアです。このみぞおちのスジのネットワークの状態が悪くなれば、当然、十二指腸を包む膜の状態も悪くなるはずです。それは、十二指腸自体のはたらきにも影響を与えずにはいないと思います。そしてそこに分布する副交感神経も、それを包むスジの異常によって働きがおちていいたので、それらが相乗してたんぱく質消化酵素の分泌の低下として現象したのではないかと考えられます。

 この見立てが正しかったか否かは、そのスジのネットワークの異常を整えた結果として、太れるようになったかどうかによって、判定することができると思います。まずは次回、頬のこけ方がすこしでも少なくなっているかに注目したいと思います。