足の痙攣がなかなか治まらず泡を喰った話

2018/01/27
痙攣

 天珠療法では、足の痙攣は水かき元氣療法か<土台の歪み一切奇妙>で簡単に治められるので、今まで苦労したことはありませんでした。「でした。」、ということは、これまでと違う何か異変があったことを意味しますが、その通りに簡単におさまると思っていたものが、なかなか治まらずに心中焦って泡を喰ってしまったという経験をいたしました。

 ストレスで胃の具合が悪くなって、なかなか良くならずにいた方を治療して、一通り施術してもうそろそろ仕上げようかというときに、足が攣ったという訴えがありました。こういうことはよくあることで慣れていたので、すぐに治められるだろうと高を括り、水かきをつまみ、中指をつまんで、痛がったのでこれで治まるだろうと様子を見ましたが、まだ攣りそうな気配でしたので、もう一度しっかりと施術したのですが、いつものようには治まりがつきませんでした。

 手ごたえが確実にあったのにどうして治まらないのだ、と内心あせりました。残る手段は鍼しかないと決断して、了解を得て鍼を中足骨の間に入れました。痛いといった瞬間にサッと鍼を抜くと、その頑固な痙攣は見事に治まりました。そうするともう一つの足もつり始めましたが、同様に手ではおさまらなかったので、鍼の助けを借りました。すると、やはりピタっと治まりました。さすが鍼だなと改めて思い知りました。

 この場合、なぜ鍼でないと効かなかったのか?そもそも足が攣るということはどういうことなのでしょうか?足の痙攣は、交感神経が運動神経の働く環境を整えきれなくなった時に起きます。サッカーの試合で終了間際になると足が痙攣する選手が続出します。これは激しい運動のさなか交感神経が一生懸命運動神経の周りの環境を整えてくれていたのですが、長くなるとさすがの交感神経も疲れてきて、運動神経の働く環境を整えきれなくなって、痙攣が起こるのです。

 では、明け方足が攣ることが良くなるのはどうしてでしょうか?じつは夜寝ている時に体を修復しているのは、脳の司令の元ホルモンと交感神経なのです。副交感神経はほとんど関与しておりません。体性運動神経と同様に、その相棒である副交感神経すなわち腸管運動神経も関与していないのです。その二つは運動を専門に司る神経だから修復には関係がないです。副交感神経の70%は腸管に分布しているそうです。これでどうやって全身の修復の指揮監督ができるのでしょうか?

 これに対して、交感神経は全身のあらゆる器官に分布して夜も昼もその活動や修復をサポートしています。その切り替えの鍵を握るのが健康腺療法の健康腺です。つまり、健康腺は交感神経の夜と昼の切り替えスイッチの役割をしているということです。

 ですから、明け方に足が良く攣ることがあるのは、夜の間交感神経が一生懸命修復のために働いているので、明け方になると疲れてきて足の運動神経の周りの環境を整えられなくなって、足が攣ってしまうのです。そんな時に足を温めてやって交感神経の働きを助けてやると、つらないで済む場合があるのです。冷えていると交感神経の負担になるということです。