前川憲太先生の呼吸法のすばらしさ

2018/01/23
前川憲太

 九州を拠点に、プロのアスリートのコンディショニングの指導や、一般の方の健康のためのコンディショニングの指導のために全国を飛び回って活躍をしている注目の前川憲太氏が、CGSという神谷宗純氏の主宰するインターネット番組に出てその話や実演している動画を見ました。

 それを見て、交感神経を、とりわけ交感神経幹の周りを整える方法として素晴らしと思いました。とくにその呼吸法には感心いたしました。その呼吸法は単なる呼吸法ではなく、呼吸を通じてスジのネットワークが自然にほぐれていく方法としてとても優れており、それによって呼吸が、無理なく深くできるようになるというものでした。

 では、具体的にどうやるのかと言いますと、やり方はいたって簡単です。峡谷の中央部の「壇(肉月へん)中」というツボに指を置きながら呼吸するというものです。ところが不思議なことに、こうやって呼吸すると楽に呼吸が深くできるようになるのです。

 じつはこれは、いびきの治し方と同じ構造なのです。いびきの大呼吸運動をしている時に、ツボに指を軽く添えるだけで、不思議にいびきがなくなっていって、その晩はいびきしなくなるほど整ってしまいますが、それと同じ構造だということです。

 つまり、呼吸運動の渦中でその要の位置に指を添えると、呼吸運動の中で見事にスジのネットワークが整っていくということです。ただ、しかも、その指を添えるツボは腹中の三焦を巡る入り口となっていて臍下丹田の気を充実させるところでもありますので、そのツボに指を添えるこの呼吸運動をやると、腹中のスジのネットワークの統一性が増して、しっかりと前進に力がこもるようにもなります。