踵を圧すとなえか歯に響く???

2017/12/15
安藤昌益

踵にぎっしりスジの凝りがこびりついていたので、それを一生懸命圧していると、患者さんから「踵を治療されていると歯に響きます」ということを教えてくれました。このところ骨の重要性が注目されている中で、体の具合が悪い人たちのほとんどが踵が冷えている現実があります。そういうことがありましたので、この踵と歯との関係性を示すこの事実は非常に興味深い事実です。

 ところで、日本の江戸時代において、ヘーゲルに匹敵する絶対的本質である活真の自己運動の弁証法すなわち「自然真営道」の論理をを創り上げた、大哲学者にして医学者でもある安藤昌益が、この歯について次のように規定しています。

「歯は一身の固めなり」

 これはいったい何を意味しているのかと言いますと、歯をしっかり噛み締めると、しっかりした軸ができて一身が固められて大kな力を発揮することができるということです。だから一本足打法の王選手はホームランを打つときはを強烈に噛み締めていたので、800本以上のホームランを打った代償として歯がボロボロになってしまったそうです。

 このように歯を噛み締めることは、軸を固めることになるのですが、この軸の根底的な土台となるのは大地と接する踵になるのです。つまり、軸の固めは踵と歯との両方を固めることによってはじめて成し遂げられるものなのです。もう少し詳しく言いますと、踵には外側から背骨の両脇を通り太陽膀胱軽という経絡と、内側から胸骨の両脇を通る少陰腎経という経絡が走っていてしっかりと軸を固める経絡が通っているのです。それが最終的に歯に合流して、軸をしっかりと固めているのだと思います。