日本人は<交感神経ー副交感神経拮抗支配説>を卒業すべし!

2017/12/14
防止

 現在の世の常識となっている<交感神経ー副交感神経拮抗支配説が正しくない>というのは、私の独創ではありませんが、「天珠医学が説く目から鱗の人間の身体の真実」(天寿堂整復院のHPにて販売中の電子本です)という本を書いて、その常識が間違いだという説を、生命の歴史から検証したところ、その批判が真理であることを確信しました。そこで私は、何とかこの誤った常識を改めてもらおうと、これまで色々な形で世に問題提起してきました。

 「日本人の交感神経が退化している」というある高名な法医学者の警告を発しています。そこで私ははじめ、交感神経が劣化しているために起きていると思われる現象、たとえば熱中症の増加や花粉症などのアレルギーの増加・インフルエンザなどの感染症の増加の例を挙げて、この警告が事実であることを訴えました。そして、その根本的な対策は、交感神経を丈夫に育て鍛えることですが、そういう取り組みが一向になされ用という気配がないのは、<交感神経ー副交感神経拮抗支配>という誤った定義によって、それが曖昧にさ...れうやむやにされ、深刻な問題とされることなく放置されている現実を指摘して、警鐘を鳴らしました。しかし相手にもされませんでした。

 次に私は、交感神経と副交感神経との関係を、役割分担的な拮抗関係にあると捉えることによって、そもそもそこに副交感神経自体が存在していないので、やろうと思ってもやりようがない役割までも、あたかも副交感神経がやっているかのように、無理やり解釈することの不適切さを指摘することによって、常識を崩していこうとしました。具体的に言いますと、内臓にしか分布していない副交感神経が休息・睡眠・修復を主っているという説の間違いや、リンパ球の主な活動の場であるリンパ節やリンパ液の流れるスジのネットワークに副交感神経は分布していないのに、免疫系のリンパ球は副交感神経が担当している、とする間違いなどなどです。

 それらは本来、皆交感神経が統括しているものですが、拮抗関係にあることにしてしまったために、たとえあり得ない事実があってもお構いなしに、現代医学は自分たちが正しいと信じ込んでいる定義から、現実をむりやり拮抗的に振り分けているのです。たとえば、活動は交感神経、休息は副交感神経という具合に振り分けられ、お風呂の温度が42度が交感神経が働く温度で、41度が副交感神経が働く温度という振り分けまでも登場する始末です。また免疫系においても、血管内の白血球である顆粒球は交感神経、血管外のリンパ球は副交感神経という具合に振り分けられて、それがそれを本気で信じている医者がたくさんいます。しかし、これだけ信じ込んでしまうと、いくらそれが事実と合わないことを意をつくし、論をつくして説明しても分かってもらえないようです。

 そして最近では、現代医学が得意とする事実を細かく調べて新しい事実が解明されたその内容に対して、私は、天珠医学の立場からその意味を、本質から見るとどう違うかを明らかにしていくことによって、その事実の意味をより体系的に鮮明にしていくという活動に重点を移してきています。これは、事実ばかりdなく、論理的に見ることがとても重要ですよ、その両方の統一が、真理・真実を明らかにする本来の道なのですよ、ということを分かってもらうためです。

 たとえば、糖尿病の多くが自己免疫によって起きている事実を現代医学が解明したものを、天珠医学から、それは<交感神経ー副腎系>の統括の弱まりによるものだと規定したところ、現代医学が、<交感神経ー副腎系>の統括下にあるスジのネットワークの中心基地である骨の作用として免疫系にも膵臓のインシュリン分泌にも関与している事実を突き止めた、という画期的発見が報じられました。この流れで行きますと、この事実の解明は、天珠医学の説を強力に裏づける証拠といえるものになります。

 ところが、現代医学は、<交感神経ー副交感神経拮抗支配説>が幅を利かせているために、せっかくの新事実の解明も、使えない論理では如何ともしようもなくそこでストップしてしまい、医学の学的論理の発展へと結びついていかないのです。だから何時まで経ってもバラバラで、学問として体系化することができないでいるのです。

 現代医学は、ドグマとしてはびこって医学の発展を妨害している、この<交感神経ー副交感神経拮抗支配説>という誤った定説から早急に卒業しなければ、医学の学としての発展は望めないばかりでなく、日本人の健康までも危機に曝していることを知るべきです。同時にまた、恒常性の概念を確立した大生理学者キャノンの説いた、あらゆる危害から命を守るシステムである<交感神経ー副腎系>説の復権こそが、日本人の健康を守り、日本の再興につながるものであることを知るべきです。