なぜ耳の周りのスジが硬くなると難聴になるのか?

2017/12/09
きく

 前の記事で私自身の難聴になりかけた体験を書きましたところ、同じように難聴になりかかった患者さんから、次のようなコメントを頂きました。
「 先生はご自分で治せていいですね(^.^)私は先生の施術後は本当に耳の調子良いです。有難うございます!

 どうやら私の治療は、難聴になるのを防いでくれたようです。この報告は、とてもうれしいのですが、問題は、どうして耳の周りのスジが硬くなると聞こえが悪くなるのか、という疑問に納得できる答えができるか、ということだと思います。

 難聴は、普通はまず伝音性から始まることになっています。それが進行すると感音性になって治りにくくなります。伝音性の難聴は、音声の空気の振動によって鼓膜が振動させられ、その鼓膜に触れている三つの耳小骨によって、その振動が増幅されて蝸牛管に伝えられます。その振動によって蝸牛管内のリンパ液が揺さぶられます。ここまでが伝音性の過程となります。

 これを見ますと、リンパ液以外はみなスジのネットワークになります。難聴はたいてい高音域から始まりますから、高音域を担当している蝸牛管の入り口付近のスジの動きがまず悪くなるのだと思われます。高音域は振動が細かいので、その動きの悪さがすぐに影響するところだといえます。したがって、治療はここを目標として行うことが、効果的な治療になる秘訣と言えます。、