天珠医学が説く漢方のとても面白い胃経と健康腺と睡眠の深い関係

2017/11/28
胃経

 経絡の話が出ましたので、興味のない方には申し訳ないのですが、続けて今日も経絡の話をします。普通経絡の何々経といわれるものは、縦に走っているものですが、身体の前面を通っている陽明胃経という経絡はその一部が二か所横に走っています。こういう経絡は他にはありません。そんなのどうでもよいと言われそうですが、まぁそう云わずにお付き合いください。

 じつは、その横に走っている個所が、横に走っている健康腺とほぼ一致するのです。そもそも健康腺というのは、手足と内臓のある体幹部との境界線に存在しますから縦に走る経絡とは交差する形で横に走っているのです。ですから普通の経絡は通過するだけなのですが、胃経だけは一部並走しているのです。この図でいえば、下は鼠径部のところで、上は鎖骨のところです。この図ではそんなに感じられないかもしれませんが、実際の生身の身体で診るとほぼ一致するのです。

 そんなことに何の意味があるのか?と思われるかもしれませんが、じつは、大ありなのです。それは、胃経も健康腺も睡眠に深く関係するということです。その二つがじつは密接に関係していたということになると、そこに宝物が潜んでいる予感がします。

 胃液が睡眠に関係するというのは、漢方の考え方として、昼間は心・肝は上位にあって活発に働いているが夜になると下がって活動が低下し、反対に腎は昼は階にあるが夜になると上昇して逆転する、この逆転を外界するのが胃だというわけです。つまり、胃が詰まってこの逆転がスムーズにいかなくなると眠れなくなるというのです。ですから睡眠にとって胃はとても重要な働きをしていると考えられています。この中で夜に腎が活発に働くというのは本当かいなと思われるかもしれませんが、じつは陣は夜はフル操業なのです。なぜなら尿を造らないために、いったん濾し出した大量の血液の大部分を残さず再吸収しなければならないからです。こういうことを古代の人たちは分かっていたわけではありませんが、じつに的を得ていたわけです。

 では健康腺はどうかと言いますと、交感神経の昼夜の統括のあり方を切り替えるスイッチのような役割を、この健康腺がしているのです。ですから、健康腺療法を受けた日は、かならずいびきも書かずぐっすりと眠れるのです。