天珠医学が説く世界をとりわけ日本を救う二つの処方箋

2017/10/30
本

 現在の世界および日本の混乱・迷走を根本から治す二つの処方箋があります。一つは、本物の学問の冠石を創り上げたヘーゲルの復権であり、もう一つは、命を守っている大事な<交感神経ー副腎系>の復権です。

 現在の世界の混乱(対立抗争の激化)をもたらしている精神面での根底をなす原因は、ヘーゲルの弟子のマルクスにあります。かつて人類は、ヘーゲルという偉大な学者によって、人類が宗教を卒業して一つになれる道筋が学問的に明らかにされました。ところが、それを受け継いで推進すべき立場にあったはずの弟子のマルクスが、折角の師匠の偉業を台無しにしてしまいました。

 具体的に言いますと、対立から統一への道筋を壊して、反対に対立を極限にまで激化させるものに変えてしまったのです。この対立を助長させるマルクスの理論は、大部分師匠のヘーゲルの理論からの借りものでしたから、見た目はとても素晴らしく、全世界を魅了して瞬く間に全世界に広がっていきました。その結果として世界は、前にもまして際限のない対立抗争が繰り広げられるようになってしまったのです。

 では一体何がまずかたのかと言いますと、ヘーゲルは、即自(個別性としての自分=国民)と対自(普遍性としての自分=国家)との統一の道を説いたのですが、、マルクスは、このうちの肝心な対自を否定しただけでなく、統一への道筋をも否定して、即自だけにしてしまったのです。その結果、国家と国民は解決できない対立のままの状態に置かれることになりました。国家の理念であるべき憲法を、国民を守るために権力を縛るためのものなどという憲法のひどい解釈は、皆こういう考え方にもとづいています。

 しかし、ヘーゲルは違います。じつは、国家の即自的な個別性である国民と、国家の対自的一般性である法と権力とを統一・統体止揚した国家、を主体と見るヘーゲルの国家第一主義の理想を、人類史上唯一実現した国があります。それは、江戸時代の日本です。

 当時の支配階級を構成していた武士は、国家のために自ら主体的に一身を賭す武士道精神で自らを厳しく律していたため、その精神が社会の隅々まで(渡世人までも)浸透して、犯罪が少なく、商業においても公正価格や信用取引の世界の先駆けとなるシステムを創り上げました。そんな社会で一般庶民は不幸だったかと言いますと、当時の日本を訪れた外国人が一様に驚いたことは、庶民が自由に生活を楽しんで幸せそうだったことでした。

 つまり、こういう国家・社会を世界中に創ることができれば、世界は一つにまとまれるということです。

 次に、第二の処方箋ですが、かつて人体の恒常性という概念を創り上げた大生理学者キャノンはその著書の中で、、恒常性を維持して命を守っている驚異のシステム<交感神経ー副腎系>について詳しく論じています。ところが、その後現代医学は、交感神経ー副交感神経拮抗支配説という誤った自律神経節を創り上げて、折角のキャノンの<交感神経ー副腎系>説をうやむやにするばかりか、交感神経を悪者に仕立てて、交感神経に触るなという空気を醸成してきました。

 結果として日本人の<交感神経ー副腎系>がどんどん弱くなって、アレルギーや熱中症、自己免疫疾患、癌、うつ病などが蔓延するようになってしまいました。この状況を打破するためには、<交感神経ー副腎系>の復権とそれを小さいころから上手に育て、鍛える風習を創っていく必要があると思います。