天珠医学が説く更年期障害のほとんどが交感神経の異常である理由

2017/10/24
更年期

た。

 

 何の番組だったか忘れましたが、たまたまテレビをつけたら、更年期のイライラと、子供の思春期の反抗と、が重なって大変だ!という話をやっていました。それが何故印象に残ったのかと言いますと、そこで解説していた現代医学の先生の話が、例によって引っかかったからです。お定まりのホルモンの話をした後、全身を調節している自律神経は、アクセルを踏むのが交感神経で、ブレーキをかけるのが副交感神経ですが、更年期障害はこのブレーキが利かなくなった状態です、というような説明がありました。

 私は、ああまたやっているな、と皮肉交じりに聞いていたのですが、番組の中で、清水ミチコというタレントが「その交感神経の異常はどうしたら良いのですか?」という非常に良い質問をしたので、どうこたえるか興味津々で注目していたのですが、これに対しては、手の甲や顔を指先でタッピングすると良い、という至極まともで理にかなった答え方をしていたのには、驚かされました。

 私は、先ほどの説明から、当然、ブレーキが利かなくなった副交感神経のブレーキをどうやって効くようにするか、というような答えがかえってくるものとばかり思っておりましたので、意外な答えにビックリしました。しかし、冷静に考えれば、副交感神経のブレーキを利かす方法などありませんから、出てくるはずもないことでした。

 手や顔のタッピングは、皮膚を統括する交感神経に働きかけるものですが、その先生の意識としては、これが副交感神経のブレーキを利かすということなのかもしれません。おそらく、実際に一定程度の効果が認められたのでしょう。自信たっぷりに奨められていましたから。しかし、これは副交感神経に働きかけることではなく、交感神経に直接働きかけるものです。交感神経の異常を治すということでしたら、水かきを抓む方がより効果があると思います。

 さて、問題は、更年期障害はどうして<交感神経ー副腎系>の異常としてあられるのか?ですが、これは決して副交感神経のブレーキが利かなくなるから、ではありません。副交感神経は、消化器系を動かす神経として生まれた神経ですから、全身に分布していませんし、交感神経と協働して全身を統括しているわけでもありません。

 更年期において<交感神経ー副腎系>が異常化しやすいのは、体自体の大きな変化に合わせて体の恒常性を維持する作業が大変になるために、<交感神経ー副腎系>の弱い人は、一杯いっぱいになって汗をかくようになり、心臓もドキドキしてのぼせたりというおかしな統括をしてしまうのです。これは<交感神経ー副腎系>が単独で全身を調節し、いかなる状況でも恒常性を維持して命を守る働きをしているから起きてくる症状なのです。

 このように交感神経がいっぱいいっぱいになっているから、「交感」の相手である感情の方も余裕がなくなてイライラしやすくなるのです。ですから、こうした状況で大事なことは、<交感神経ー副腎系>が元気を取り戻すようにしてやることです。その意味で手や顔の多ピングもよいでしょう。水かきで交感神経に活を入れてやるのも効果的です。

 しかし、一番良いのはその<交感神経ー副腎系>の中枢である交感神経幹の周りをほぐして血行を良くして、自分で回復できるようにしてやることです。前に紹介した<寝床で行う天珠体操>も、交感神経幹尾血行を良くするための体操ですから効果があるはずです。一度試してみていただきたいものです。