歩く時にだけある不思議な胸やけの起きるわけ

2017/08/24
胸やけ

 デザインという納期が迫ると何日も徹夜が続くという過酷なお仕事の方。両手が痛み仕事にも支障がきたすほどになったのを何とか治し、以来定期的に身体のケアに来ていただいている方、その甲斐もあって、仕事は忙しいのに以前のような状態にはならずに頑張れているようですが、一つだけ気になることがあるというので聞いてみました。

 それは、座って仕事をしたり、食事をしても何ともないのに、歩くと胸やけだする、ということでした。なるほど、それは変わっているなと思いながら、その原因らしきものがないかと体を探ってみますと。

 まず、胸の中心にある胸骨から恥骨および鼠径靭帯の健康腺のラインが非常に詰まっていて全然動かない状態でした。そこで、それをほぐすべく腕を診てみますと、非常に疲れていてちょっとつまんだだけで非常に痛がる状態でした。これだと思い、その腕をしっかりとほぐしてから、もう一度、胸骨ー恥骨・健康腺のラインをほぐすとこんどは反応が出てきて、簡単にほぐれていきました。その他、左足の胃経が詰まって動かない状態でしたので、それを元に戻し、背中の真ん中の背骨の周りのつまりをほぐして、もう大丈夫でしょうと、言って治療を終えました。

 なぜ、座って仕事や食事をしても何ともないのに、立って歩き出すと胸やけが始まるのかは、以上の治療の結果から明らかとなりました。つまり、胸骨から恥骨―健康腺のラインが詰まってしまったため、座っているときは胃の上部の噴門や横隔膜の周辺のよゆうがある状態を維持できるので逆流は起きないのですが、立ちあがって歩くとき、そこが伸ばされると噴門周りのスジの遊びがなくなって噴門の弁の閉じ目が甘くなって、逆流が起きやすくなります。

 このような状態の時に、歩行に使われる胃経の経絡のスジのネットワークが硬化していると、歩行による胃の周りの動揺が普段より大きくなり、その結果、胃液が噴門から食道に飛び出して胸やけを起こしてしまうのだと推察されます。

 その原因と思われる状態は、広尾の天寿堂の整体らしからぬ不思議整体で整えることができたので、もう大丈夫でしょうと、太鼓判をして安心して帰っていただいたのです。