治り易かった胃からの突発性難聴の珍しい症例

2017/08/05
一本歯

 これは二年前の症例で、通常の突発性難聴は体の凝りは勿論のこと頭の凝りがひどくなって奥の方まで浸透して発症するものですが、この症例は胃の不調からきていた珍しい例でした。そしてその治り方も特異でしたので紹介しようと思います。

 耳鳴り・耳塞感・高音域の難聴で病院に通っている方が、ここに行った方が良いと知り合いに勧められて来院。治療してみるとこれは手だけでも治せると判断、三回もやれば治るでしょう、というとその方は驚いて「そんなに簡単に治るのですか?」と聞き返してきたので、これは大丈夫だと思います、、と確信をもって答えておきました。ただ、この時はまだこれが胃からきているとまでは分かっておりませんでした。まだ、直感のレベルでした。

 翌日二回目の治療にいらした時に聞いてみると、耳の方は治ったけど、ムカムカ吐き気が出てきたと言うので、診てみると左の迷走神経を包んだ胸鎖乳突筋がシコって固くなっていたのと、ストレスのツボと胃の裏のスジが異常化していたので、それを取り除いてやると、帰りには吐き気が取れた!と喜んで帰っていきました。

 翌三日目に最後の仕上げをしようと思っていたら、耳が治ったと思って油断して三時ごろまで起きて寝不足したら、また耳がおかしくなったと言うので、身体が元の状態に戻るまでは不摂生は禁物ですよ!とたしなめながら調整し、胃の裏のスジが良くなっていることを確認して仕上げを終了しました。

 このケースは、ストレスによる胃の状態の悪化が突発性難聴を引き起こした珍しい例で、それだけに突発性難聴の方は比較的治りやすい例でした。